
地域猫活動してる人って、正直ちょっと変わってるんじゃない?



なぜお金にならないような動物保護をしているの?全然理解できない…



どうして一度捕まえた猫を再度、外に放すの?
そんな疑問をこの記事で解消します!
野良猫にご飯をあげたり、トイレを掃除したり…
「時間もお金もかかるし、一体何がしたいんだろう?」
と疑問に思うのも無理はありません。
でも、ちょっと待ってください。
地域猫活動には、私たちが思っている以上に深い意味や理由があるんです。
今回は地域猫活動の実態と、
活動の裏に隠された想いを紐解いていきましょう。
- 地域猫とは?
- 域猫活動をする理由3つ
- サクラ猫を耳カットするワケ
地域猫とは?数人で交代に野良猫のご飯やトイレの始末を行う


地域猫とは特定の場所に住み着いた、誰の飼い猫でもない猫のことです。
猫たちに地域の人たちや動物保護団体が協力して、
- ご飯をあげる
- トイレを掃除する
- 避妊・去勢手術を受けさせる
活動を「地域猫活動」と呼びます。
たいていは数人のグループで、猫たちの世話を交代でやっています。
猫たちは地域の人たちがつけた愛称で呼ばれることもあり、
大切な地域の一員として見守られているんです。
なぜ地域猫活動をするのか?理由3つ


「野良猫なんて、ほっとけばいいじゃん…」そう思う人もいるかもしれません。
でも地域猫活動には、ちゃんと理由があるんです。
ただ「猫がかわいい」という理由だけで、
エサをあげているわけではありません。
ここでは、主な理由を3つご紹介しますね。
理由①猫の繁殖を抑えて徐々に頭数を減らす
地域猫活動の目的は、避妊去勢手術をして
猫の数を増やさないようにすることです。
※メス猫は避妊手術、オス猫は去勢手術
野良猫は放っておくと、どんどん増えてしまいます。
猫を避妊去勢をしなかった場合、
年に2~3度、1度に1~4匹出産します。
そのまま放置した場合、
あっという間にすごい数になることも珍しくありません。
勝手に手術をしたり、捕まえて野に放すことを
”偽善者”や”無責任”だと思うこともあるかもしれません。



ですが地域猫活動は、
避妊・去勢手術によって猫の数をコントロールするための、
大切な活動なんです。
理由②殺処分で不幸な思いをする猫を減らす
地域猫活動は、殺処分される不幸な猫を減らすことに繋がります。
増えすぎた野良猫は、保健所に連れて行かれることがあります。
しかし、すべての猫が新しい飼い主を見つけられるわけではありません。
多くの場合、殺処分という悲しい結末を迎えてしまうんです。
2022年から2023年の1年間に全国の動物愛護センターで殺処分された猫は、
全部で9,472頭いました。
殺処分された猫のうち、仔猫は5,878頭です。
つまり約60%は、まだ生まれたばかりの仔猫だということ。
データ参照元:環境省
しかも動物愛護センターに持ち込まれる仔猫のほとんどは、
飼い主のいない「野良猫が産んだ仔猫」です。
せっかく生まれたのに、人間の都合ですぐに殺処分されてしまう、
しかもそれが何度も繰り返される歪んだ世界…。
不幸の連鎖を断ち切るためには、
猫の避妊去勢手術が必要な理由がわかりますよね。



地域猫活動は、人間のこれまでの過ちを反省し、
今できることを行うため前向きな活動なのです。
理由③すべての猫を安全で快適な家飼いにする
地域猫活動は、
最終的にすべての猫が安心して暮らせる家を見つけることを目指しています。
地域猫として地域の人たちに見守られながら、
人間に慣れてもらい、里親を探す活動も行われています。
当たり前ですが野良猫として生きるよりも、
温かい家庭で愛情を受けて暮らす方が、猫にとって幸せなはずです。
譲渡会などを開催し地域猫だった猫たちが、
温かい家族に迎え入れられるケースも増えてきています。
しかしたまに、「野良猫は、自然の中で自由に生きるのが一番だ」という意見もあります。
確かに、野良猫は自由気ままに暮らしているように見えるかもしれません。
しかし、交通事故や病気、虐待など、危険と隣り合わせの生活を送っているのも事実です。



地域猫活動は、
すべての猫が安心して暮らせる未来を実現するための、
大切なステップなのです。
サクラ猫の耳カットはかわいそう!代わりの方法はないの?


サクラ猫の耳カット、確かに見た目にはかわいそうですが、
現時点では最も確実な方法です。
耳カットは
一度手術を受けた猫を、
再び捕獲して手術してしまうという二重の負担を防ぐために行われます。
他の方法では確実性に欠けたり、コストがかかりすぎたりするなどの課題があります。
マイクロチップを埋め込む方法もありますが、
チップを読み取るための機械が必要だったり、
チップが故障してしまったりする可能性もあります。
また首輪をつける方法もありますが、
野良猫は首輪を嫌がることが多く、
紛失してしまうこともあります。
「もっと猫に優しい方法があるはずだ」という意見はもっともです。
動物愛護の精神に沿って、
猫への負担を最小限に抑える方法は常に検討されるべきでしょう。



現状では耳カットが最も現実的な方法ですが、
将来的に猫も人もWin-Winな識別方法が開発されることを期待します!
まとめ|活動家も地域猫が最善だと思っているわけではない
地域猫活動は、理想的な解決策ではありません。
しかし現状では、
猫と人間が共存するための、最も現実的な選択肢の一つです。
地域猫活動家も、
すべての猫が温かい家庭で暮らせるのが理想だと考えています。
しかし現実には、すべての猫を保護することは難しく、
最終的に殺処分という悲しい選択をせざるを得ない場合もあります。
地域猫活動をする理由を3つ紹介しました。
- 理由①猫の繁殖を抑えて徐々に頭数を減らす
- 理由②殺処分で不幸な思いをする猫を減らす
- 理由③すべての猫を安全で快適な家飼いにする
地域猫活動家は、
「本当は、すべての猫を保護してあげたい。
でもそれができないから、せめて地域で安全に暮らせるように…。」
と思いながら活動をしています。
確かに、人間の都合で猫の生活をコントロールしているという側面は否定できません。
しかし地域猫活動は、
人間と猫が共存するための、苦渋の選択とも言えるでしょう。
地域猫の意義と理由を、
「知っている」のと「知らない」のでは大違い。



応援、とまではいかなくとも、
地域猫や活動家を温かい目で見守ってくださると嬉しいです。
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